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Channel: 宇宙の森~ありのままをあるがままに~
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希望の轍

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独り暮らしを始めて数年が経った。

引っ越してきた時、部屋の壁に子供たちの写真を飾った。

娘の七五三や、子供たちが通ってた保育園の教室に飾られてた我が子の写真。

子供たちに囲まれているようで、アパートのリビングは安らぎを覚える聖域のようだった。

でも時には切なさと悲しみも込み上げた。

会えない時間の中で子供たちは大きくなり、もう二度と写真の中の我が子には会えないんだ…と感じたときの深い悲しみ。

幼い我が子のまま、私の時計は止まってしまってて…

戻りたい、帰りたい…と願っている自分がいた。

どんな事をしても、神様にだって、決して【過去】は変えられない。

そう、頭では判っているのに。




月が変わった昨日。

仕事をしてる最中に、ふと頭に浮かんだ。

そうだ…夏の旅行の写真を引き伸ばして部屋に飾ってみたら、どうだろう?

100枚以上、撮った写真の中から、お気に入りの4枚を選んで引き伸ばして、額に入れて部屋に飾ってみた。

親子3人で初めての泊まりがけの旅行に出かけられた、あの夏の日が…ありありとよみがえってきた。

やっと会えた嬉しさ。

一緒に電車に乗れた楽しさ。

暑くてもワクワクしながら観光して。

一緒に夕飯食べて、一緒に大きなお風呂に入って。

一緒に眠りにつけた幸せ。

気付かれないように寝静まってから抱きしめた、我が子の温もりと寝息。

どれを思い出しても全部がキラキラの宝石みたいに輝いていて…

ママの、かけがえのない宝物になった。




帰りの電車の中。

疲れて眠る子供たちを見ながら。

息子を膝枕しながら、彼にメールを送った。



【この旅を…どうか子供たちが覚えていてくれますように】



何年もずっと傍で見守ってきてくれた彼は…私の言葉にならない想いまでも受け止めてくれて、返事を送ってくれた。




ずっとずっと、願い続けてきた。

もう一度、我が子に会わせて下さい!

もう一度、我が子とご飯を食べさせて下さい。

もう一度だけ、我が子とお風呂に入らせて下さい。

せめてもう一度だけ…我が子と一緒に朝まで眠らせて下さい…




願い続けてきた想いが、この旅行で全て報われた…

きっと最初で最後の母子の旅行。

思い残すことのないようにしよう。

後悔のないようにしよう。

私に出来る全ての事は、やり尽くした。

だから心から言える。

この旅の想い出があれば、ママはこの先も笑って生きていける、って。





ありがとう、娘。

ありがとう、息子。

ありがとう、パパ。

ありがとう、義理の両親。

ありがとう、新しいママ。

みんなの優しい心遣いのおかげで我が子と旅行に行く事が出来ました…心から感謝しています。




旅行の写真を飾ったら。

初めて心に芽生えた想いがあります。

【この子達の子供と一緒にご飯を食べるまで長生きしたいな…】

私にとっては孫ですね。

今までは、あと15年生きられればいいやって思ってた。

早くお迎えが来ないかな、と言っては、彼にたしなめられていた。

本当に心の底から強く願うと、想いを現実に引き寄せるから、間違えても【早くお迎えが来ないかな】なんて言っちゃいけないんです。

もし、辛すぎて想いが上手く言葉にならないなら、これだけでいい。

【幸せになりたい】

それだけは強く願い続ける事が大切です。



写真の中の、子供たちの無邪気な笑顔は、私に【希望】を与えてくれた。

大丈夫、これから歩んでいく未来には、沢山の幸せが待っている。




イメージ 1

夏に訪れた福岡・住吉神社

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